周囲は石和の桃畑が広がる田園であり、敷地も充分な広さがあった。オーナー様の強い意向で敷地中央に建つ白樫の木を残した設計とすることになり、敷地の大きさの割に配置に苦労した。結果的にこの樹が建物に良いスケール感を与えてくれた。
全ての居室が南に面して配置でき、太陽高度を計算しての深い庇と高いサッシ のおかげで、冬は日が入り、夏は日を遮るため、1年を通して、冬暖かく夏涼しい建物にすることが出来た。壁面や屋根には充分な断熱材を入れたことも良い結果に繋がったようである。
リビング・ダイニングは高い天井を持った吹き抜け空間ではあるが、床暖房のおかげで冬は全く寒さを感じない。 ダウンライトを使った壁面の建築化照明が緩やかな曲面天井を照らし上げ、空間に包み込まれるような効果をねらった。
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