蓼科の家
クリックすると画面が変わります蓼科高原のさほど古くない別荘地です。敷地の選定から、参加させて頂き、10以上の候補地から、この計画地が選ばれました。

敷地は東西方向に緩い傾斜があり、それに沿って南側に涸れ沢がありました。建物は最小限に敷地を使いつつ広がりのある空間を創り出す為、駐車場となるボックス状の構造体の上に3メートル以上も大きく水平に張りだしたデッキによって、必要な空間を確保しました。

大きな張り出しの構造は、アンボンドスラブ工法により、太いピアノ線の束で、後方から引っ張られることで、外からは軽やかに、構造的には強固にデザインされています。
オーナーさんからは、全ての居室を南面させるという条件と幾つかの建築的諸元の他は、全体の設定を出来るだけ提案させて頂きました。

画面をクリック

南面重視の住宅の北側は、建物の裏となり、どうしても、無表情で、閉鎖的なものになります。計画敷地は北側に道路を背負い、静かな別荘生活の為にはどうしても、閉鎖的にする必要がありました。そこで、北側の顔をむしろ建物の特徴とさせ、閉じた壁は、アートな雰囲気を持たせると同時に、閉鎖的な印象を無くしながら住まい手の気配を感じさせる、仕掛けの窓を幾つも計画しました。
建物には、そのアートな壁の隙間へと続くブリッジを渡り、非日常的な世界へと誘っています。

写真をクリックして下さいリビングルームの北壁に設けた8個の飾り窓には、イギリス人彫刻家のB.Kim氏のミュージカルシリーズが飾られています。設計当初より、これらのブロンズ像を、建物に取り入れる事が計画されました。

特別に設計された小窓はLED照明により、夜になるとこれらのブロンズ像が浮かび上がるようになっています。この不思議なブロンズ像の壁は、南面の大きなガラス窓に映る情景と重なり合う事で、とても不思議なシーンを昼、夜と見せてくれます。

リビングルームの西壁は、多様な別荘生活のスタイルに対応出来る、様々な仕掛けを施してあります。暖炉から始まり、テレビやその画面を利用してのインターネット、大画面のホームシアター、カラオケ等の機材を、普段は意識されないように、壁の中に仕込んでいます。そしてこの建物は別荘版としては初の完璧なI/D-Houseとなっています。

写真をクリックする度にシーンがかわっていきます